新型コロナウイルスの影響で、がん患者の2割が通院の予定を延期したり中止したりしていたことが、調査会社などのアンケートで分かりました。感染や重症化のリスクを不安に感じる患者が目立った一方で、正確な情報によって不安が和らぐこともうかがえ、調査会社はそれぞれの患者に合わせた丁寧な説明が必要だとしています。
医療関連の調査会社「メディリード」とがん患者専用のSNSの運営団体「キャンサーペアレンツ」は、新型コロナウイルスの影響について全国のがん患者を対象にしたアンケート調査を行い、245人から回答を得ました。
それによりますと、通院の予定を延期したり中止したりしたと答えた患者が20%、気になる体調の変化があったが受診を控えたという患者も10%いました。
治療による免疫力の低下で感染や重症化のリスクが高まることを不安に感じたという患者は71%に上っていて、こうした不安の広がりが受診控えの要因となったとみられています。
一方で不安を感じたという患者の3割は、その後不安を解消できたと答えていて、その理由について正確な情報を自分で集めたり医師から丁寧な説明を受けたりしたことなどを挙げています。
調査会社は「がん患者の間でもリスクには差があり、それぞれの患者に合わせた詳しい情報が必要だ。医療者は説明を丁寧に行うなどして、不安を和らげてほしい」としています。
-- NHK NEWS WEB