新型コロナウイルスの影響で、東京や大阪などの保健所でサービス残業などが相次いでいたことが労働団体が行った調査で分かりました。団体では「保健所の人員を増やすなど体制強化が必要だ」と訴えています。
これは自治体職員の労働組合で作る労働団体の「自治労連」が会見を開いて明らかにしました。
アンケート調査はことし7月、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出された4月の勤務状況などについて全国の保健所を対象に行い、東京や大阪、神奈川など7都府県の32の保健所から回答がありました。
この中で「保健師のサービス残業はあったか」と尋ねたところ、
▽「大幅にあった」が、4(12.5%)
▽「少しあった」が、10(31.3%)で、
32の保健所のうち、サービス残業があったと回答したのは14で、40%を超えました。
4月、1か月間の残業時間について聞いたところ、いわゆる「過労死ライン」の80時間を大きく超える、186時間に上るケースがあったと回答した保健所もありました。
また「人員は足りていたか」と聞いたところ、
▽「全く足りなかった」が、21(65.6%)
▽「少し足りなかった」が、6(18.7%)と、
多くの保健所は人手が足りなかったと回答しました。
調査では「数時間だけ帰宅して再度出勤し、体力的にも精神的にも厳しかった」とか「夜遅くの帰宅が続き、最新の情報を得る時間が持てない」などという声も寄せられました。
調査を行った「自治労連」の高柳京子副委員長は「新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、保健所は業務の多さに比べて職員の数が少なく、今のままでは業務を続けることが難しくなるおそれがあると思います。保健所の人員を増やすなど体制強化が必要です」と話しています。
-- NHK NEWS WEB