世界各国に展開して利益をあげる巨大IT企業などに対する新たな課税のルールについて、OECD=経済協力開発機構の加盟国を中心にしたグループは、目標にしていたことし年末の合意の時期を来年半ばまで先送りすると発表しました。
巨大IT企業は国境をまたいでデータやサービスをやり取りして世界中で利益をあげていますが、本社など拠点がない国は十分に課税できないことが課題になっています。
このためOECD加盟国を中心に137の国と地域でつくるグループは、新たな課税のルールを年末までに合意することを目標に議論してきましたが、日本時間の12日夕方、合意を来年半ばまで先送りすると発表しました。
世界各国に展開する企業の利益の一部を国ごとにどのような割合で配分するかや、各国で導入する「最低税率」の水準などについて意見がまとまらなかったためです。
ただ今回、ルールの素案を公表し、巨大IT企業が提供する検索サービスなどの利益は課税の対象にする一方、あらゆるものをネットでつなぐIoTのサービスの利益は対象から除く方向となりました。
OECDでは、新たな課税ルールが仮に「最低税率」を12.5%として導入されると世界の税収が年間で最大1000億ドル、日本円で10兆円を超える規模になるとして、議論を急ぐことにしています。
今回の素案は、14日に開かれるG20の財務相・中央銀行総裁会議に報告される見通しです。
-- NHK NEWS WEB