非正規の契約社員が正社員と同じ仕事をしていたのに退職金が支給されないのは不当だとして、東京メトロの子会社の元契約社員らが訴えた裁判の判決で、最高裁判所は、退職金を支給しないことは不合理な格差に当たらないとする判断を示しました。
東京メトロの子会社「メトロコマース」の契約社員らは、駅の売店で正社員と同じ業務をしていたのに退職金などが支給されないのは違法だと訴えました。
2審の東京高等裁判所は去年、退職金を支給しないのは不合理な格差で違法と判断し、正社員の退職金の4分の1の支払いを命じ、契約社員と会社の双方が上告していました。
13日の判決で、最高裁判所第3小法廷の林景一裁判長は「退職金は労務の対価の後払いや続けて勤務したことに対する功労の性質もある。正社員は複数の売店を統括し、サポートやトラブル処理などに従事することがあるが、契約社員は売店業務に専従し、一定の違いがあったことは否定できず、配置転換も命じられない」と指摘しました。
そのうえで、退職金を支給しないことは不合理な格差に当たらないとする判断を示し、2審の判決を変更し、一部の手当てについての訴えは認めましたが、退職金についての訴えは退けました。
一方で、判決では退職金についても不合理な格差と認められる場合には、違法と判断することもありうるとし、ケースごとに検討すべきだとしました。
-- NHK NEWS WEB