スーパーコンピューター「富岳」を活用して開発されたフェースシールドが公開されました。空気中に放出される飛まつの量を3割におさえられるということで、開発グループは忘年会シーズンまでの実用化を目指したいとしています。
公表されたフェースシールドは、スーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーション結果をもとに、神戸市の理化学研究所が飲料会社の「サントリー酒類」、印刷会社の「凸版印刷」と合同で開発したものです。
開発にあたっては、まず、マウスガードがどれだけ飛まつを抑える効果があるかを形状ごとに分析しました。
その結果現在、広く使われている口元のみのマウスガードでは、7割程度の飛まつが空気中に放出されるのに対し、あごから鼻までを覆うおわん型にすれば3割程度におさえられることが分かったということです。
さらに、目からの感染リスクもおさえるため、めがねにマウスガードを組み合わせ、飲食の際に外しやすい設計となっています。
現在、首都圏の飲食店で実証実験を行っていて、開発グループは12月の忘年会シーズンまでに実用化したいとしています。
サントリー酒類の山田賢治社長は「完成したら誰でも生産できるように設計データを公開したい。外食産業が活気を取り戻すきっかけになってほしい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB