鉄鋼最大手の日本製鉄がアメリカにある自動車向けの鋼材工場の売却を検討していることがわかりました。新型コロナウイルスの感染拡大などで業績が落ち込む中、国内外の生産体制の見直しをさらに進める方針です。
関係者によりますと、日本製鉄は、世界最大手の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタルと合弁でアメリカ・インディアナ州で運営している2か所の自動車向けの鋼材工場をアメリカの企業に売却する方向で検討しています。
これらの工場は、アメリカ国内に生産拠点がある日系の自動車メーカー向けに鋼材を生産していますが、生産設備が老朽化し、採算性が低下しているため、売却の検討を進めているということです。
その一方で、鉄くずなどのスクラップを原料にし、市場の需要が減少しても鉄鋼製品の生産量を調整しやすいとされる電炉を、アメリカ・アラバマ州に合弁で建設することを検討しています。
日本製鉄は感染拡大による自動車向けの需要の落ち込みや米中の貿易摩擦の影響で、先月までの半年間の業績は、最終的な損益が2000億円の赤字となる見通しで、業績の立て直しが大きな課題となっています。
会社では、これまでに広島県呉市にある製鉄所の閉鎖を決めていますが、今後、国内外で生産体制の見直しをさらに進める方針です。
-- NHK NEWS WEB