脱炭素の機運が高まる中、二酸化炭素を回収して燃料や化学品に活用する「カーボンリサイクル」の研究開発が企業の間で本格化しています。
このうち、ゼネコン大手の鹿島建設は中国電力などと共同で、コンクリートの製造過程で二酸化炭素を吸収する技術を開発しました。
原料のセメントとカルシウムやケイ素の化合物を混ぜることでコンクリートが固まる過程で化学反応が起き、二酸化炭素を吸収できるということです。
会社によりますと、コンクリート1立方メートル当たりおよそ100キロの二酸化炭素を吸収できるうえ一般のコンクリートと同じ程度の強度があるということで、吸収の効率をさらに高め、普及を進めたいとしています。
鹿島建設の取違剛主任研究員は「二酸化炭素の削減が世界的な課題となる中、われわれの技術が日の目を見つつある。この技術で世界の先頭を走りたい」と話しています。
このほか、大手化学メーカーの旭化成は、二酸化炭素を原料にポリカーボネートと呼ばれるプラスチックを開発したほか、大手機械メーカーのIHIも二酸化炭素を吸収する藻を原料にしたバイオ燃料の開発を進めるなど企業の間で「カーボンリサイクル」の研究開発が本格化していて、国も資金面から支援していくことにしています。
-- NHK NEWS WEB