中国政府が複数の国有企業に対し、オーストラリア産の石炭の輸入を停止するよう指示したと、オーストラリアのメディアが報じました。中国はことし、オーストラリアの肉製品や大麦について輸入停止や関税上乗せの措置をとっていて、石炭もそうした対象となれば二国間の対立がさらに深まる可能性があります。
オーストラリアのメディアは、中国政府が国有の発電所や鉄鋼メーカーに対し、オーストラリア産の石炭の輸入を停止するよう口頭で指示したと報じました。
中国税関総署の李魁文報道官は13日の記者会見で、この報道について問われると「関連製品の輸入管理を強化していく」と述べ、中国政府が何らかの措置をとることを示唆しました。
一方、オーストラリアのモリソン首相は「関係当局と対応を協議中だ」と述べました。
両国の関係は、モリソン首相がことし4月、新型コロナウイルスの発生源を解明する独立した調査が必要だとの考えを示して対立したことをきっかけに急速に冷え込んでいて、中国はオーストラリアからの一部の肉製品の輸入を停止し、大麦に関税を上乗せしたほか、ワインが不当に安く輸入されているとして調査を始めています。
オーストラリアが輸出する石炭は、鉄鋼の原料用も、発電用も20%以上が中国向けで、主要輸出品の石炭にも影響が及べば、二国間の対立がさらに深まる可能性があります。
-- NHK NEWS WEB