イギリス政府は、EU=ヨーロッパ連合からの離脱が決まってから初めてとなる予算編成の方針を発表し、経済への打撃を抑えるため、今後5年間で3兆2000億円余りのインフラ投資を行うほか、毎年2800億円を研究開発費に充てることを明らかにしました。
イギリス議会では23日、EUからの離脱の決定を受けて発足したメイ政権のハモンド財務相が、初めて予算編成の方針について演説を行いました。
ハモンド財務相は、EU離脱による経済への打撃を抑えるため、今後5年間で3兆2000億円余りのインフラ投資を行って企業の生産性を高め、毎年2800億円を研究開発費に充て、競争力を維持することを明らかにしました。
また、25歳以上のフルタイム雇用の労働者の最低賃金を4%引き上げるほか、1900億円余りを投じて低所得者向けの住宅4万戸を建設するなど、国内の格差の拡大にも対応する方針を示しました。
その一方で、EU離脱によって公的債務は5年間でおよそ1兆7000億円拡大するとして、当初の目標だった2020年までの財政黒字化は断念するとしています。
今後の方針についてハモンド財務相は「EU離脱に備えて経済を強化し、変化に対応することが私たちの使命だ」と述べ、経済状況を見ながら柔軟に財政出動も行っていく考えを強調しました。
-- NHK NEWS WEB