アメリカ大統領選挙は、当初予定されていた2回目のテレビ討論会がトランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染の影響で中止され、両候補が同時に別の場所で異なるテレビ局主催の対話集会にそれぞれ参加する異例の展開になりました。
トランプ大統領と野党・民主党のバイデン前副大統領は15日、それぞれ同時に別のテレビ局が主催する有権者との対話集会に参加しました。
トランプ大統領は南部フロリダ州でNBCニュースが主催した対話集会に参加し、新型コロナウイルス対策について中国からの入国規制措置をめぐり「私が100%正しかった」などと述べ、適切に対応したと主張しました。
また、民主党のバイデン氏について、「バイデン氏は中間層を含めすべての人に増税を行い、最悪の不景気になるだろう」と批判しました。
一方、先月のテレビ討論会ではトランプ大統領が白人至上主義を明確に非難しなかったと一部で問題視されたことから、司会者が白人至上主義への考え方について質問しましたが、トランプ大統領は「私は白人至上主義を何年も非難している」と述べました。
これに対し、バイデン氏は東部ペンシルベニア州でABCテレビが行った対話集会に参加し、政権の新型ウイルスへの対応について「トランプ大統領は株式市場にしか関心がなく、すべきことを何もしなかった。彼は、『国民をパニックに巻き込みたくなかった』と言っているが、パニックになったのは国民ではなく、トランプ大統領だ」と厳しく批判しました。
また、バイデン氏は、「政権のアメリカ第一主義が孤立を招いた。アメリカは極東でも孤立し、日本と韓国は対立し、中国が動き出し、安全でなくなった」と述べトランプ政権の外交政策を批判しました。
この日は、当初はトランプ大統領とバイデン氏が直接対決する、2回目のテレビ討論会が予定されていましたが、トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染し、両陣営が実施方法をめぐって対立したため、急きょ中止されました。
こうした中、バイデン氏の対話集会にぶつける形でトランプ大統領も同時に別の対話集会を開き、異例の展開となりました。
-- NHK NEWS WEB