アメリカの昨年度の財政赤字は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた巨額の経済対策で支出が急増したことから前の年の3倍以上に膨らみ、日本円でおよそ330兆円と、過去最悪になりました。
アメリカ財務省の16日の発表によりますと、先月までの1年間の会計年度の財政赤字は、3兆1320億ドル、日本円でおよそ330兆円でした。
赤字額は前の年の3倍以上で、リーマンショックのあとの2009年度の1兆4000億ドル台も大きく超えて、過去最悪になりました。
これは、新型コロナウイルスによる景気の悪化で税収が減少した一方、失業者や中小企業を支援する3兆ドル規模の巨額の経済対策で支出が急増したためです。
感染拡大が収まらない中、アメリカ議会では追加の財政出動も議論されています。
政府の借金にあたる公的債務の残高は、すでに26兆ドルに上っていますが、財政再建をめぐる議論は事実上凍結されていて、今後は、効率的な財政運営も大きな課題となりそうです。
-- NHK NEWS WEB