台湾でおととし特急列車が脱線し18人が死亡した事故について、最終の調査報告書が発表され、運転士が速度を制御する安全装置を切ったことなどが直接の原因だったとしたうえで、運転士の訓練などの管理態勢にも問題があったと指摘しました。
おととし10月、台湾北東部の宜蘭県で特急列車がカーブで脱線し、乗客18人が死亡、290人以上がけがをしました。
事故について調査してきた台湾の運輸安全調査委員会は19日、最終の報告書を発表しました。
それによりますと、事故はブレーキなどに関係する装置に不具合があったにもかかわらず、運転士が速度を制御する安全装置が故障していると思い込み、装置を切るなどしたため、制限の倍近い速度が出て起きたとしています。
さらに、運行を担う鉄道管理局についても、運転士の訓練が不十分だったとしたうえで、部品の交換を先延ばしにするなど、管理態勢に問題があったと指摘しました。
この事故では、運転士と鉄道管理局の職員の合わせて3人が起訴されているほか、鉄道管理局が、設計不良などが事故を招いたとして、車両を受注した日本の大手商社「住友商事」に損害賠償を求める訴えを起こしています。
-- NHK NEWS WEB