リニア中央新幹線の工事をめぐる談合事件で、公正取引委員会は大手ゼネコン4社に対し、行政処分としては最も重い「排除措置命令」を出す方針を固めたことが、関係者への取材でわかりました。
大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設の大手ゼネコン4社は、平成26年から翌年にかけて、JR東海が発注したリニア中央新幹線の品川駅と名古屋駅の新設工事の入札で事前に受注業者を決めるなどの談合を行ったとして、おととし3月、東京地検特捜部から独占禁止法違反の罪で起訴されました。
関係者によりますと、公正取引委員会は4社の談合があったと認定して、違反行為の排除や再発防止などを命じる排除措置命令を出す方針を固め、20日までに処分の案を4社に通知したということです。
公正取引委員会の行政調査に基づく措置には注意、警告、排除措置命令の3段階があり、排除措置命令はこの中で最も重い処分です。
この事件では、工事を受注した大林組と清水建設が、違反行為を自主申告すれば課徴金が減免される制度に基づいて、公正取引委員会に談合を行ったと申し出て、裁判ではおととし10月に有罪判決を受けました。
公正取引委員会は、大林組には31億円、清水建設には12億円の課徴金納付命令も出す方針だということです。
一方、大成建設と鹿島建設は無罪を主張し、来年3月1日に東京地方裁判所で判決が言い渡されます。
公正取引委員会の調査について、大成建設は「引き続き協力していきます」と、鹿島建設、大林組、清水建設はいずれも「調査中の事案なのでコメントは差し控えます」としています。
公正取引委員会は今後、4社から意見を聴取し、処分の内容を正式に決めることにしています。
-- NHK NEWS WEB