ロシアでは、自国で開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、早ければ来月にも希望者を対象に接種が受けられる見通しとなりました。ただ、臨床試験が十分に行われていないとして、安全性などを懸念する声も出ています。
ロシアではことし8月、プーチン政権が自国で開発した新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクV」を正式に承認し、現在、4万人を対象にして最終段階の臨床試験が行われています。
ワクチンを開発した国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所のギンツブルグ所長は20日、メディアに対して「来月中には医師や教師へのワクチン接種が行われ、そのあと、職業にかかわらず接種が始まる」と述べました。
またワクチンの製造を行っているロシアの製薬会社は現在、生産を拡大していて、早ければ来月にも希望者を対象に接種が受けられる見通しとなりました。
ワクチンをめぐってミシュスチン首相は20日、「コロナウイルスに対するはじめてのワクチンがロシア産であることを誇りに思う」と述べワクチンの海外への提供も急ぐ考えを強調しました。
ただ、最終段階の臨床試験が終わらないなかで接種が始まることに、ロシア国内の専門家からも「急ぐ必要はない」などと安全性や有効性について懸念する声が出ています。
-- NHK NEWS WEB