大阪と京都に本社がある化学メーカー2社が、新型コロナウイルスの影響で事業環境が急速に悪化しているとして、すでに合意していた経営統合を中止すると発表しました。感染拡大が企業の統合戦略を根底から覆す事態になっています。
これは大阪市に本社がある「日本触媒」と京都市に本社がある「三洋化成工業」が21日に発表しました。
両社は、おむつ用の吸水性樹脂の製造でそれぞれ世界首位と5位の企業で、競争力を高めようと去年5月に経営統合することで基本合意していました。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済の悪化で統合の時期を今月から来年4月に延期していました。
しかし、その後も両社の業績の見通しが立ちにくいことや、「日本触媒」が今月に入って業績の下方修正を行ったことなどから統合比率を見直さなければならなくなり、前提が崩れたとして中止する結論に至ったということです。
新型コロナの感染拡大は企業の統合戦略を根底から覆す事態になっています。
両社は「製品需要の先行き不透明感が増すなど、取り巻く環境が急速に悪化しているため、経営統合を実施することが困難になったとの認識に至った」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB