JAXA=宇宙航空研究開発機構に文部科学省から出向していた元理事の汚職事件を受け、業務の検証を行っていたJAXAの調査検証チームは、宇宙飛行士の派遣業務について「元理事の行為は不当だった」などとする最終報告書をまとめました。
この事件は、文部科学省からJAXAに出向していた元理事が便宜をはかった見返りに東京の医療コンサルタント会社から接待を受けたとして、去年、収賄の罪で有罪が確定したものです。
JAXAは内部に調査検証チームを作り、元理事の業務を調べたうえ、裁判の判決も考慮して、最終の報告書をまとめました。
それによりますと、宇宙飛行士を派遣する業務で元理事が担当部署に提案して、その後最優先案件として派遣が決定された経緯などは、便宜を図ったと受け止め得るものであり、元理事の行為は不当なものであったとしました。
そして、どの責任者が何に基づいて判断するか明確化し、事後の検証が可能な体制を構築すべきだとしています。
さらに報告書では、元理事が文部科学省からの出向であることや、今回の件が文部科学省での勤務中からの交際関係に由来することなどから、JAXAにとって特殊事案であると安易に整理することは許されず、経歴などにかかわりなく油断をすれば誰にでも生じうるものだとしています。
JAXAは「元理事の行為は倫理規定などに違反しており、指摘を真摯(しんし)に受け止め対策を実行したい」としています。
-- NHK NEWS WEB