人の流れに関する膨大な情報を集め、ビジネスに活用してもらおうと、札幌市がこの夏にも、地下街の一角で人の顔の特徴などをカメラで読み取って、年齢層や性別を推定する装置の実証実験を始めることになりました。自治体が、公共の空間でこうした実験をするのは全国でも珍しいということです。
この実証実験は、札幌駅前の地下歩行空間の北2条広場で行われます。一角には、人の顔の特徴や動作などを読み取る装置が、画面が切り替わる電子看板とともに設置され、解析の結果、大人がいると判断すれば市内有数の観光地を、子どもがいる場合は動物園など子ども向けの画像を表示することを検討しています。
また、解析によって蓄積された性別や年齢層といった情報は、いわゆるビッグデータとして民間企業などに提供し、観光やビジネスでの活用につなげたい考えで、早ければ8月から実験を始める予定です。
一方、カメラで撮影した映像は保存しないほか、撮影対象は広場にいる一部の人に限定し、地下歩行空間を行き交う人は対象にしないなど、プライバシーにも配慮することにしています。
自治体が、公共の空間でこうした実験をするのは全国でも珍しく、札幌市都心まちづくり課の西村剛課長は「市民が不安を抱かないよう準備し、弁護士や大学教授などプライバシーの専門家の意見を聞きながら慎重に行っていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB