アメリカのことし7月から先月までのGDP=国内総生産の伸び率は、年率に換算した実質の速報値で、前の3か月に比べてプラス33.1%となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で記録的な落ち込みとなった前の3か月からの反動で大幅な伸びになりましたが、最近になって感染が再拡大していることもあり、先行きは予断を許しません。
アメリカ商務省が29日に発表した、ことし7月から先月までのGDPの伸び率の速報値は、年率に換算した実質で、前の3か月と比べてプラス33.1%と3期ぶりに改善しました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の制限で、ことし6月までの3か月は統計開始以来最悪のマイナス31.4%まで落ち込みましたが、今回はこの反動で、これまでで最大の伸びになりました。
項目別では、
▽GDPのおよそ7割を占める個人消費はプラス40.7%、
▽企業の設備投資はプラス20.3%、
▽輸出はプラス59.7%と、
経済活動の再開を反映して、いずれも大幅に改善しました。
大統領選挙を直前に控えるトランプ大統領は今回のGDPの結果をみずからの実績としてアピールしていくとみられます。
ただ、GDPの伸び率は、前の年の同じ時期と比べると、マイナス2.9%となっていて、アメリカ経済は感染拡大前の水準には戻っていません。
さらにアメリカでは追加の経済対策のめどが立っていないほか、最近になって再び感染が拡大していることもあり、景気の先行きは予断を許しません。
-- NHK NEWS WEB