環境の分野に資金の使いみちを限った「グリーンボンド」と呼ばれる債券を発行する動きが世界的に拡大しています。日本でも企業や自治体が次々に「グリーンボンド」で資金を調達していて、ことしの発行額は過去最高になる見通しです。
「グリーンボンド」は、地球温暖化対策や環境保護の一環として、環境の分野に使いみちをかぎって資金調達するための債券で、欧米や中国などで発行の動きが拡大しています。
日本でも、このグリーンボンドを発行する企業や自治体が増えていて、大手ビールメ−カーの「アサヒグループホールディングス」は、今月、利率が年0.12%のグリーンボンドを発行し、100億円を調達しました。
使用済みのペットボトルを処理してできた原料などを使って新しいペットボトルを生産するための費用などに充てるとしています。
また神奈川県も水害対策に使うためのグリーンボンドを50億円発行する計画で、今月、販売を始めたところ、10分足らずで完売したということです。
環境省によりますと、国内のグリーンボンドの発行額は今月半ばの時点ですでに6800億円余りに上り、ことしは、過去最高だった去年の8238億円を上回る見通しだということです。
「脱炭素社会」の実現が課題になる中、グリーンボンドを通じて環境への取り組みを強化する動きは今後、国内でも一段と広がりそうです。
-- NHK NEWS WEB