中国の今月の製造業の景況感を示す指数は小幅に低下したものの、景気判断の節目となる水準は引き続き上回りました。中国経済は新型コロナウイルスの影響からの持ち直しが続いていますが、当局は小規模な企業の景況感の悪化に懸念も示しています。
中国国家統計局は毎月、製造業3000社を対象に景況感を調査する製造業PMI=購買担当者景況感指数を発表しています。
31日発表された今月の製造業PMIは、51.4となり、先月よりも0.1ポイント低下しました。
2か月ぶりに前の月を下回ったものの、景気判断の節目となる50は、8か月連続で上回っています。
ただ、企業の規模別の指数では、大企業が52.6、中規模企業が50.6と、いずれも50を上回る水準となったのに対して、小規模な企業では先月よりも0.7ポイント悪化し、49.4となっています。
これについて、当局は中国経済全体は安定した回復を続けているとする一方で、「小規模な企業の指数は、製造業全体の水準よりも明らかに低く、小規模企業に対する需要が不足している」として懸念も示しています。
中国経済は、ことし7月から先月までのGDP=国内総生産の伸び率が2期連続のプラスとなり、持ち直しの動きが続いていますが景気回復の力強さを取り戻すためには、企業の規模にかかわらず経営改善を進めることが課題となっています。
-- NHK NEWS WEB