森友学園の籠池泰典理事長は10日午後、記者会見を開き、「今の過熱状態に終止符を打たないと、子どもの安全や親のプライバシーが守れないと判断した。苦渋の決断だ」などと述べて、小学校の認可の申請を取り下げた理由を説明しました。
籠池理事長は大阪・淀川区にある森友学園の幼稚園で、午後5時半ごろから記者会見を開きました。
この中で、「大阪府の私学審議会で、設置適当という答申を出してもらったので、土地を購入し、建築業者を決め、建物は九分九厘できあがっていた。しかし、今の過熱状態に終止符を打たないと、子どもの安全や親のプライバシーが守れないと判断し、きょう午後2時に私学審議会に宛てて、小学校設立の認可の申請を取り下げた。苦渋の決断だ」と述べ、小学校の認可の申請を取り下げた理由を説明しました。
そのうえで、「入学を予定していた子どもやその保護者には、本当に申し訳ない。子どもたちは、別の学校に行っても頑張ってくれると思う」と述べました。
さらに、「何も悪いことはしていないが、学校を建設すると言っておいて、建設できなかったことの責めは取りたい」と述べて、学校法人の理事長を辞任する意向を示し、小学校の建設工事をめぐって、金額の異なる3種類の契約書が作成されていた問題については、「契約書は偽造ではない」と述べました。
また、籠池理事長は、小学校の施工会社が「大阪府に提出された7億円の契約書は、森友側から『私学助成金の申請に必要だ』と言われて作った。結果的にうそをつかれた」と話していることについて、「そんなことはない。認識の違いだ。私から私学助成金と言ったことはない。向こうが書いたかも、わからないが、そこまで確認していない」と述べました。
行政側を相手に損害賠償請求を起こす可能性があるか問われたのに対し「今の段階では、そこまでの考察はできていない。ただ一連のことについては、一般的には、そういうことは考えられるのではないか」と述べました。
一方、国会で野党側が、籠池理事長の参考人招致を求めていることについては「国会の招致に応じる気持ちはない」と述べたうえで、「国会議員から口利きをしてもらったことはない。安倍総理大臣や夫人から何かしてもらったこともない」と述べ、小学校の設立に向けて、政治家から便宜供与を受けたことはないと強調しました。
-- NHK NEWS WEB