政府は、自動車や家電などの生産に欠かせない希少な資源、レアアースについて、日本の大手商社がインドで精製の工程を行う実証試験を支援することになりました。
米中の貿易摩擦で中国がアメリカへの輸出を制限する可能性を示唆しており、日本としては経済の安全保障の面からインド太平洋地域での安定的な供給網を早期に構築するねらいがあります。
レアアースは、電気自動車のモーターのほか、家電の精密部品などの生産に欠かせない希少な資源で、電気自動車の普及などで需要の拡大が見込まれています。
日本は、全体のおよそ6割を中国から輸入しているうえ、鉱石からレアアースを分離して不純物を取り除く精製の工程は、他国から輸入したものも含めてすべて中国に頼っています。
このため政府は、大手商社の豊田通商がオーストラリアなどから調達したレアアースをインドで精製する実証試験に補助金を出して支援することになりました。
実証試験は、今後、5年程度かけて行われ、技術的な問題や経済性などについて検証することにしています。
レアアースをめぐっては、米中の貿易摩擦が激しさを増す中、中国がアメリカへの輸出を制限する可能性を示唆するなど経済の安全保障の対抗措置として用いられることも懸念され、日本政府としてはインド太平洋地域でレアアースの安定的な供給網を早期に構築するねらいがあります。
-- NHK NEWS WEB