「第一生命」の89歳の元社員が顧客からおよそ19億円を不正に集めていたとされる問題で、元社員は、4年前から特別な肩書を与えられ、勤務し続けていたことが分かりました。会社は、元社員がこの肩書で顧客を信用させていた疑いもあるとみて、肩書の廃止を含む再発防止策をまとめ、金融庁に提出する方針です。
山口県周南市にある第一生命の拠点に在籍していた89歳の女性の元社員は、「30%の利息が付く『特別枠』で運用する」などと架空の取り引きを顧客に持ちかけ金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで会社から警察に告発されました。
少なくとも21人からおよそ19億円を不正に集めていたとみられています。
元社員は、保険の営業成績が極めて優秀だったため、本来なら契約が更新されない85歳をすぎても「特別調査役」という肩書を与えられ、勤務し続けていたということです。
「特別調査役」は、全国におよそ4万人余りいる営業担当者の中でも、唯一の肩書だったということです。
会社は、元社員がこうした肩書で顧客を信用させ、不正に現金を集めた疑いもあるとみています。
また、会社では3年前、不審に思った外部の問い合わせを受け、元社員の監視を続けていましたが、結果的に被害の拡大を防げなかったということです。
会社では、問題の経緯や社内の管理態勢などの調査結果と「特別調査役」の廃止を含む再発防止策をまとめ、週明けにも金融庁に提出する方針です。
-- NHK NEWS WEB