水害の発生時にSNS上に投稿される多くの被害情報を保存して今後の防災に役立てようという新たな取り組みです。東北大学などは、投稿された浸水被害の動画や画像などを地図上に示した特設のウェブサイトをつくり、8日から公開を始めました。
取り組みは東北大学災害科学国際研究所がニュースアプリを開発する会社と協力して行い、去年の台風19号やことしの7月豪雨の際にツイッターに投稿された浸水被害の画像や動画などを、発生場所ごとにインターネットの地図上に示しています。
画像や動画はおよそ1万2000件あり、その中には大雨で排水が追いつかずに浸水が相次ぐ「内水氾濫」も多く含まれ、去年の台風19号で浸水した川崎市の武蔵小杉駅周辺やことしの7月豪雨で浸水した福岡県大牟田市の写真などがあります。
特に「内水氾濫」は、川の氾濫などと違って水が引くと痕跡が残りにくく、その後の被害の検証が難しいのが現状で、東北大学などは、この情報を利用することで自治体や住民の防災に役立ててほしいとしています。
東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は「内水氾濫は見えない地下空間で水位が上昇するため、川の氾濫と違ってリスクが迫っていることに気付きにくい。このサイトを通して内水氾濫がどこで起きやすいのか事前に把握し、ハザードマップのように防災に活用してほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB