アメリカのFDA=食品医薬品局は、製薬会社イーライリリーが新型コロナウイルスの治療薬として開発中の「抗体医薬」について、軽症から中程度の症状の患者に一定の効果がみられるとして、緊急の使用許可を出したと発表しました。
FDAは9日、アメリカの製薬会社イーライリリーが新型コロナウイルスの治療薬として開発中の抗体医薬「バムラニビマブ」について緊急の使用許可を出したと発表しました。
使用できるのは12歳以上、体重40キロ以上で、重症化や入院に至るリスクの高い新型コロナウイルスの患者です。
抗体医薬は、体内の異物を排除する「抗体」と呼ばれる物質を人工的に作りだし、薬として患者に投与するもので、FDAによりますと、「バムラニビマブ」の臨床試験の暫定的な結果では、投与された患者の入院や救急治療を受けた割合が、投与されなかった患者より低いといった効果がみられたということです。
こうしたことからFDAは「バムラニビマブ」には軽症から中程度の症状の患者に対してリスクを上回る効果があるとしています。
一方、人工呼吸器が必要な患者などに対しては症状が悪化する可能性があるとして投与は許可されていません。
-- NHK NEWS WEB