首都圏で立ち食いそば店を運営する会社の役員が、店の従業員が実際には働いても休んだことにするよう指示をしていたことが分かりました。会社は、国の雇用調整助成金の不正受給につながるという指摘を受けて是正したということで、「事実を重く受け止め、今後、コンプライアンス体制の充実に努めたい」としています。
首都圏で120余りの店舗がある立ち食いそば店「名代富士そば」のうち、14の店舗を運営する東京 渋谷区の会社によりますと、ことし6月、会社の役員が店舗を統括する一部の社員に対してメールを送り、夜間に店の従業員が2人出勤した場合には実際に、働いたとしても1人は「特別休暇」を取得して休んだことにするよう指示をしていたということです。
この会社では新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対して国が休業手当の一部を支給する「雇用調整助成金」の申請対象となる休業を「特別休暇」と呼んでいて、助成金の申請を行っていたということです。
しかし、メールを受けた社員から休んでいないのに助成金を受け取れば不正受給になってしまうと指摘されたため、正しい勤務の記録に基づいて申請したとしています。
また、ことし5月には同じ役員は一部の社員に対して週に2日は特別休暇にしたいのでタイムカードを押さないよう指示するメールを送っていたことも分かり、勤務記録を実態に合わせて修正したということです。
運営会社の「ダイタンディッシュ」は、「不正受給につながるような指示がなされたことは会社として重く受け止めています。今後、コンプライアンス体制の充実に努めたい」としています。
-- NHK NEWS WEB