内閣府が発表したことし7月から9月までのGDP=国内総生産は、実質の伸び率が年率に換算してプラス21.4%となり、比較可能な1980年以降で最大の伸び率となりました。ただ、新型コロナウイルスの影響で、前の3か月が歴史的な急落になったことの反動という側面が大きく、GDPの規模は感染拡大前の水準には戻っていません。
内閣府が発表したことし7月から9月までのGDPの速報値によりますと、物価の変動を除いた実質の伸び率は、前の3か月と比べてプラス5.0%となり、4期ぶりのプラスとなりました。
これが1年間続いた場合の年率に換算すると、プラス21.4%となり、比較可能な1980年以降では、バブル経済まっただ中の1989年10月から12月までに記録したプラス12.0%を超えて、最大の伸びとなりました。
ただ、新型コロナウイルスの影響で前の3か月がマイナス28.8%と歴史的な急落となったことの反動という側面が大きいうえ、GDPは感染拡大前の水準には遠く、日本経済は回復途上にあることを示した形です。
項目別にみますと、GDPの半分以上を占める「個人消費」は、Go Toトラベルの効果で旅行や飲食への支出が増え、前の3か月との比較でプラス4.7%と大きく伸びました。
「輸出」もプラス7.0%と、大きく伸びました。これは経済活動の再開に伴って、アメリカや中国向けの自動車や自動車部品が増えたためです。
一方、「企業の設備投資」はマイナス3.4%、「住宅投資」もマイナス7.9%と落ち込みが続いています。
また、物価の変動を反映させた名目のGDPの伸び率も、前の3か月と比べてプラス5.2%、年率に換算するとプラス22.7%と大幅な改善となりました。
-- NHK NEWS WEB