新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している札幌市に国から派遣されたクラスター対策班のメンバーが、NHKのインタビューに応じ、「保健所の対応能力をはるかに超える数のクラスターが発生している」として、調査と対策が追いついていない現状を明らかにしました。市は、介護施設や病院で起きたクラスターへの対応を優先する一方、学校や企業でのクラスターは対策を後回しにせざるをえなくなっているということです。
NHKのインタビューに応じたのは、国のクラスター対策班のメンバーで、今月7日から札幌市での対策にあたっている、国立感染症研究所の山岸拓也室長です。
山岸室長は、札幌市の現状について「保健所の体制をはるかにしのぐような患者とクラスターが発生している」と述べて、感染経路を特定する調査やさらなる拡大を防ぐための対策が追いつかなくなっている現状を明らかにしました。
そのうえで、高齢者や基礎疾患のある人が多い介護施設や病院で起きたクラスターへの対応を優先し、若い人や軽症者などが多い学校や企業などでのクラスターは、濃厚接触者の特定は進めているものの、感染経路の調査や拡大を防ぐ対策は後回しにせざるをえなくなっていると説明しました。
-- NHK NEWS WEB