新型コロナウイルスの感染者の増加に伴って、医療用マスクの確保が課題となるなか、大手生活用品メーカーのアイリスオーヤマは、高性能な医療用マスクを国内の工場で生産する方針を固めました。
政府やマスクの業界団体によりますと、新型ウイルスが流行する前、高性能な医療用のマスクは流通量の7割ほどを中国などからの輸入に頼っていましたが、感染が拡大したことし4月以降、品不足の状況が続いていて、政府は備蓄を進めています。
こうした中、仙台市に本社があるアイリスオーヤマは、これまで中国の協力工場に生産を委託していた「N95」と呼ばれる高性能な医療用マスクの生産を来年秋にも国内で始める方針を固めました。
宮城県角田市にある工場におよそ10億円かけて設備を整え、医療用マスクを月1万枚、除菌ウエットティッシュも月100万個生産できるようにすることにしています。
大山晃弘社長は「国際間での奪い合いを避けるためにも国内生産は重要だ。今後、医療分野に進出する足がかりにしたい」と話していました。
政府は新型ウイルスの流行で不足した衛生用品の生産体制の強化を重要政策に掲げ、そのための費用を補助する制度を設けていて、今後、医療用マスクの国内生産がほかの企業にも広がるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB