地球温暖化対策の強化に向け世界各国でガソリン車などの新車販売を将来、禁止する計画が相次いで打ち出される中、世界3大レースの1つとされる「ル・マン24時間レース」が究極のエコカーとも呼ばれる水素カーのレースを新たに設けることを決めていて、次世代のエネルギーとして注目される水素の技術革新が進むと期待されています。
水素レーシングカーの開発プロジェクトを進めているのは、フランスの耐久レース「ル・マン24時間レース」を主催する団体で、エネルギー大手の「トタル」や大手タイヤメーカー「ミシュラン」などが協力しています。
おととしから開発が始まったレーシングカーの2代目となる試作車が今月、フランス中部のレース場で報道陣に公開されました。
レーシングカーは水素を使う燃料電池で4つのモーターに電気を供給し走ります。
走行時に、水蒸気しか出さないため究極のエコカーとも呼ばれ、最高速度は時速300キロ以上、3秒ほどで時速100キロまで加速します。
また、水素を2分から4分で供給できる移動式のスタンドも披露され、充電に時間がかかる電気自動車に比べて、短時間で燃料を供給できるとアピールしていました。
プロジェクトでは2024年に「ル・マン24時間レース」に水素部門を創設することを目指しています。
プロジェクトで技術革新を担当するベルナー・ニクロさんは「水素や燃料電池はまだまだ進歩が必要な若い技術だ。開発を早く進めるためには競争がベストだ」と話していて、レースを通じて次世代のエネルギーとして期待される水素の技術革新につなげたいねらいです。
-- NHK NEWS WEB