大阪・関西万博の実施主体の博覧会協会は、全国から応募のあった1898作品から公式キャラクターを選び、22日、発表しました。
選ばれたのは、水の都・大阪から連想した青いキャラクターのデザインで、赤い球体が連なる奇抜なロゴマークと一体となった姿が特徴です。
青い部分は水のようにいろいろな形に変化することが可能で、多様性が表現されているということです。
デザインを手がけたのは東京を拠点とするデザイナーのグループで、神戸で育った代表の山下浩平さんは「本当に驚いていて今も現実味がありません。ゆかりがあって家族もいる関西での万博に、キャラクターという形で関わることができてうれしく思います」と喜びを語っていました。
万博のアンバサダーを務める松本幸四郎さんは「無限に変化するキャラクターは、芝居の世界でいえばいろいろな役を演じる役者のようなもの。新しいキャラクターとともにPRしていきたい」と述べました。
協会では、来月下旬ごろからこのキャラクターの愛称の募集を始め、ことし夏以降に発表することにしています。
「インパクトある」「子ども泣きそう」反応最多
選ばれたデザインは、奇抜なロゴマークをそのままキャラクターにできないかというアイデアから生まれ、ロゴマークを頭からかぶったような姿が特徴的です。
デザインを手がけた山下浩平さんは、東京を拠点に活動し、生き物を中心としたデザインを手がけてきました。
山下さんは22日の記者会見で「ロゴマークのデザインがインパクトがあって強烈で、あれがキャラクターだと感じています。自分のデザインを出すというより、ロゴマークの台座という形でデザインしました」と述べました。
今月10日まで、ほかの2つのデザインとともに一般から意見を募集していました。
このデザインは3つの最終候補の中で最も反応が多く、「インパクトがある」、「見たことがない」、「気持ち悪い」などとさまざまな意見が寄せられたということです。
また、デザインの決定を受けてネット上では早速、賛否両論が出ています。
好意的な意見には「かわいくて好き」「こういう世界観好きです」「これだけ印象があれば後世に残りそう」といったものがありました。
一方で、否定的な意見には「怖い」「ぬいぐるみになったら子どもが泣きそう」「世界中から親しみがもたれなさそう」といった声もありました。
前回の大阪万博はマスコットキャラクター設定されず
これまでに日本で開かれた博覧会では、さまざまなマスコットキャラクターがPR役として活躍してきました。
2005年に愛知県で開かれた前回の万博「愛・地球博」のマスコットキャラクターは「モリゾー」と「キッコロ」でした。
大阪のキャラクター制作会社がデザインし、森のおじいちゃんと森の子どもがペアになっています。
また、1985年に茨城県で開かれた「つくば科学万博」では、UFOをイメージしたという「コスモ星丸」でした。
一方、1990年に大阪で開かれた花の万博「国際花と緑の博覧会」では、花の妖精のようなかわいらしいキャラクター「花ずきんちゃん」。
また、兵庫県の淡路島で2000年に開かれた「淡路花博」では、ミツバチをイメージした妖精の「ユメハッチ」でした。
一方、1970年の大阪万博では、芸術家の岡本太郎さんが手がけた「太陽の塔」が印象的でしたが、マスコットキャラクターは設定されていなかったということです。