2月21日「ウクライナ政府 問題を軍事的に解決しようとしている」
侵攻前の先月21日、プーチン大統領は「ウクライナ政府は、東部の問題を軍事的に解決しようとしている」と主張し、東部2州の親ロシア派が事実上支配している地域を独立国家として一方的に承認するとともに「平和維持」の名目でロシア軍の部隊を送り込む構えを見せました。
2月24日「武力で押さえつけるつもりはない」
軍事侵攻に踏み切った24日もプーチン大統領は、国民向けのテレビ演説で「ウクライナ政府によって8年間虐げられてきた人々を保護するためだ」と述べ、ロシアとゆかりが深い東部の住民を保護するための軍事作戦だと主張しました。
ただ、「ウクライナ領土の占領は計画にない。武力で押さえつけるつもりはない」と強調しました。
2月25日「民間人の犠牲の責任をロシアになすりつけ」
ところが翌25日に開かれた安全保障会議でプーチン大統領は、「民族主義者やネオナチは、キエフやハリコフなどの主要都市で複数の重火器を配備しているのが確認された。民間人の犠牲の責任をロシアになすりつけようとしている」と述べ、東部の親ロシア派の支配地域を越えた都市部への攻撃を正当化しました。
そして、ウクライナ軍に対してゼレンスキー政権を見限り権力を奪取することまで促しました。
3月5日「軍事インフラをすべて破壊する」
今月5日、ロシアの大手航空会社の客室乗務員たちとの会合でプーチン大統領は、「厳しい決断だった」と述べ理解を求めました。
そのうえで「欧米が民族主義者や過激派を無条件に支援している以上、武器弾薬や装備が際限なく供給されることになる」と主張したうえで「わが軍は別の道をとることにした。軍事インフラをすべて破壊する」と述べウクライナ各地の軍事施設などを攻撃する理由を説明しました。
3月16日「ウクライナの大量破壊兵器 ロシアが標的となる」
そして今月16日、プーチン大統領は、「ウクライナが外国の技術援助を受けて大量破壊兵器を手に入れればロシアが標的となるのは明らかだ」としてウクライナ政府が核兵器を開発しようとしているなどと、一方的に主張します。
「ウクライナで生物兵器がつくられた」
さらに「ウクライナで生物兵器がつくられたと信じる理由が十分にある」と強調し、アメリカなどは、ロシア軍が虚偽の主張をもとに生物兵器や化学兵器を使用する恐れがあるとして警戒を強めています。
この1か月間のプーチン大統領の発言の変遷を見ると、軍事侵攻の計画が想定通り進んでいないとされることへの焦りのほか、ロシア国内で反戦の声が上がる中、国民への理解を求めたい思惑などもうかがえます。