SMBC日興証券の幹部らによる相場操縦事件で、証券取引等監視委員会は、特定の銘柄の株価を維持するために不正な株取り引きを行っていたとして、幹部ら7人と、法人としてのSMBC日興証券を、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いで東京地検特捜部に刑事告発しました。大手証券会社が刑事告発されるのは極めて異例です。
刑事告発されたのは、SMBC日興証券のエクイティ本部の前本部長のトレボー・ヒル容疑者(51)や、エクイティ部の前部長、山田誠容疑者(44)ら7人です。
それに法人としてのSMBC日興証券も刑事告発されました。
証券取引等監視委員会によりますと、7人は、おととし11月までのおよそ1年間に、特定の5つの銘柄について株価を維持するために大量に買い付けるなど不正な取り引きを行ったとして、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いがあるということです。
このうちヒル前本部長ら4人は今月4日、特捜部に逮捕されましたが、監視委員会が特捜部と連携して詳しい経緯について調べを進めた結果、ほかにも3人が不正な取り引きに関わった疑いがあるとして、合わせて7人を刑事告発しました。
監視委員会は、会社の業務で不正が行われ、不正を防ぐための管理体制も不十分だったとして、法人としてのSMBC日興証券についても刑事告発しました。
大手証券会社が株の売買をめぐる不正で刑事告発されるのは極めて異例で、特捜部は勾留期限の24日、幹部らと法人としてのSMBC日興証券を起訴するものとみられます。
関係者によりますと、逮捕された4人は特捜部などの調べに対して「通常業務の範囲内の取り引きだった」などと容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB