トヨタ自動車の取引先など、自動車産業のサプライチェーンをねらったサイバー攻撃が相次いでいますが、東京に本社のある自動車部品メーカー「三桜工業」のアメリカの子会社が、身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウエア」によるサイバー攻撃を受けたことが新たにわかりました。
サイバー攻撃を受けたのは、東京 渋谷区に本社のある自動車部品メーカーの「三桜工業」のアメリカにある子会社「Sanoh America」です。
三桜工業によりますと、今月12日、身代金要求型のコンピューターウイルス、ランサムウエアによるものとみられるサイバー攻撃を受け、社内の情報が流出した可能性があることを23日確認したということです。
「Sanoh America」は、主にアメリカ国内向けに自動車のブレーキチューブや燃料の配管などを製造していて、攻撃を受けたあと、インターネット接続を遮断するなどの措置を取り、生産に影響は出ていないということです。
セキュリティー会社によりますと「Conti」と名乗るハッカー集団が、ネット上の闇サイトで、この会社をねらったと主張しています。
「Conti」はランサムウエアを使って企業などのデータを暗号化して見られなくするサイバー攻撃を行い、要求した身代金が支払われない場合、盗み出したデータを公開すると脅迫する手口で犯行を行っているとされています。
ハッカー集団は今月22日付けで、会社から盗み出したとみられるおよそ900メガバイト分のデータを、すでに闇サイトに掲載したとしていて、内容は、予算管理に関する文書や会議の議事録とみられるファイルなどだということです。
ランサムウエアによるサイバー攻撃をめぐっては、先月にはトヨタ自動車が、取引先の部品メーカーが被害を受けた影響で、国内すべての工場の稼働を一時停止したほか、今月には大手部品メーカー、デンソーのドイツの拠点もねらわれるなど、自動車産業のサプライチェーンをねらった攻撃が相次いでいます。
-- NHK NEWS WEB