SMBC日興証券をめぐる相場操縦事件で、逮捕された副社長らは大幅に下落していた製薬会社の株価を維持しようと価格を指定したうえで大量の買い注文を出していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
その日の終値は指定した価格とほぼ同額だったということで、東京地検特捜部は大量の買い注文によって株価が不正に維持されたとみて調べを進めているものとみられます。
SMBC日興証券の副社長、佐藤俊弘容疑者(59)は、会社の自己資金で株の売買をするエクイティ部の前部長、山田誠被告(44)らとともに、特定の銘柄について不正な株取り引きをしたとして、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いで24日、特捜部に逮捕されました。
関係者によりますと、佐藤副社長らは去年4月8日、都内の製薬会社の株式について6億円余りに相当する10万株の買い注文を出していた疑いがあることが分かっていますが、この日の株価は前日の終値の7030円より400円余り安い6600円まで一時、大幅に下落していたということです。
佐藤副社長らは午後3時に市場が閉まる直前の10分足らずの間に買い取り価格を6600円に指定するなどしたうえで大量の注文を出し、この日の終値は6620円だったということです。
特捜部は株価の買い支えを意図した大量の買い注文によって実際に株価が不正に維持されたとみて、詳しい経緯を調べているものとみられます。
関係者によりますと佐藤副社長は特捜部の調べに対し「取り引きについて報告は受けていたが、違法という認識はなかった」などと供述しているということです。
-- NHK NEWS WEB