北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアで殺害されてから13日で1か月となります。捜査は、事件を主導したとされる容疑者らが、すでに出国していることなどから難航する一方、事件をめぐるマレーシアと北朝鮮の対立は外交問題に発展していて、マレーシア政府は難しい対応を迫られています。
キム・ジョンナム氏は先月13日、クアラルンプール国際空港で猛毒のVXによって殺害され、これまでに実行犯のベトナム人のドアン・ティ・フオン被告と、インドネシア人のシティ・アイシャ被告の2人が殺人の罪で起訴されています。
しかし、事件を主導したとされる北朝鮮国籍の容疑者4人は事件当日に出国し、すでに帰国したと見られ、北朝鮮大使館にとどまっていると見られる2等書記官と、国営航空会社の職員に対する事情聴取の要請についても大使館側は拒否していて、警察は捜査対象者への接触ができず、捜査は難航しています。
一方、北朝鮮は警察の捜査を批判し、国内に滞在するマレーシア人の出国を一時的に認めない措置を取ったことから、外交官とその家族9人が出国できなくなるなど、外交問題に発展しています。
マレーシア政府は、対話による問題の解決を目指していますが、地元の新聞は、北朝鮮が9人の出国と引き換えに、2等書記官と国営航空会社の職員の帰国を要求していると伝えていて、マレーシア政府は難しい対応を迫られています。
-- NHK NEWS WEB