世界的にエネルギー価格が上昇する中、スペインでは燃料価格の高騰に抗議するトラック運転手たちのストライキが長期化し、小売店の品不足や工場の操業停止といった混乱が社会に広がり始めています。
スペインでは、ウクライナ情勢を受けてガソリンやディーゼルの価格が一段と値上がりしたことから、運送業で働くトラックの運転手たちが事業が立ちゆかないなどとして政府に対策を求め、無期限のストライキを行っています。
ストが12日目となった25日も、首都マドリードでは黄色い作業ベストを身につけた運転手たち5000人以上が、横断幕を掲げるなどして中心部の道路を封鎖し、政府に抜本的な対策をとるよう抗議の声を上げました。
スペイン政府は燃料費の一部を負担したり運送業者へ給付金を出したりする支援策を打ち出しましたが、運転手側は十分ではないなどとしてストをさらに続ける構えです。
スペインでは、去年から続く燃料高で暮らしへの負担がじわじわと重くなっていることから今回の抗議の動きに賛同する人も多く、タクシー運転手や農業者、漁業者たちによるデモやストライキが全土に広がっています。
このため、スーパーや小売店では卵や乳製品といった生鮮食料品が不足したり、大手企業の工場が原材料不足のため、操業を停止したりする事態となっています。
-- NHK NEWS WEB