SMBC日興証券をめぐる相場操縦事件で、逮捕された副社長は特定の銘柄の株価を維持するために大量の買い注文を出すことについて、メールで部下から事前に報告を受け、これを了承していた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。
東京地検特捜部は幹部らのやり取りが記録された大量のメールや音声データを入手し、実態解明を進めているものとみられます。
SMBC日興証券の副社長の佐藤俊弘容疑者(59)は、会社の自己資金で株の売買をするエクイティ部の前部長、山田誠被告(44)らとともに、特定の銘柄について不正な株取引をしたとして、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いで24日逮捕されました。
佐藤副社長らは去年4月、都内の製薬会社の株価を買い支えるため、6億円余りに相当する大量の買い注文を出すなどした疑いがあることが分かっていますが、副社長はこの取引を行うことについて、山田前部長から事前にメールで報告を受けていた疑いがあることが、関係者への取材で新たに分かりました。
これに対して副社長は了承する趣旨のメールを返信していたほか、取引の結果、株価が維持されたことについても、前部長から報告を受けていた疑いがあるということです。
特捜部は幹部らのやり取りが記録された大量のメールや音声データを入手し、不正な株価操作が組織的に行われたとみて実態解明を進めているものとみられます。
関係者によりますと、副社長は特捜部の調べに対して「取引が行われたという報告は受けていたが、違法だという認識はなかった」などと供述しているということです。
-- NHK NEWS WEB