大阪地検特捜部が捜査した横領事件で逮捕・起訴され、裁判で無罪が確定した不動産会社の前社長が、違法な捜査によって長期間勾留され社長の辞任を余儀なくされたなどとして、国に対し7億円余りの賠償を求める訴えを起こしました。
大阪地方裁判所に訴えを起こしたのは、東証1部上場の不動産会社「プレサンス コーポレーション」の社長だった山岸忍さん(59)です。
山岸さんは3年前、大阪の学校法人の当時の理事長らが土地取り引きをめぐって、21億円を横領した事件に関与したとして、大阪地検特捜部に逮捕・起訴されたのち、裁判で無罪が確定しました。
訴えでは山岸さんの関与を否定していた会社の部下を検事が取り調べで脅して、共謀があったとする事実と異なる供述を強要したとしています。
山岸さんは特捜部の違法な捜査によって、およそ8か月間勾留されたうえ、社長を辞任して会社の株も手放さざるを得なくなり、少なくとも78億円余りの損害を被ったとして、その一部、7億7000万円の賠償を国に求めています。
大阪市で会見した山岸さんは「検察官のものの考え方や取り調べの手法は異常だ。二度とこのようなことを起こさないでほしい」と話しました。
-- NHK NEWS WEB