日野自動車は、エンジンの排出ガスの不正なデータを国に提出していた問題を受けて、リコール費用などとして特別損失を計上すると発表しました。今年度の最終損益の予想は黒字でしたが、一転して540億円の赤字になるという見通しに下方修正しました。
日野自動車は、製造する4種類のエンジンの排出ガスや燃費について、不正なデータを国に提出して生産に必要な「型式認証」を取得していたことが発覚し、国は29日、このエンジンを搭載しているバスやトラックの認証を取り消しました。
この問題をめぐって会社は、4万6000台余りのトラックを対象としたリコールの費用や税制の優遇措置を受けた分の追加納付の費用として、合わせて400億円の特別損失を計上すると発表しました。
また北米に出荷したエンジンが規制基準に届かず、現地のトラック工場が10か月にわたって稼働を停止しましたが、取引先などに払う補償金がさらに膨らむという見通しも明らかにしました。
このため会社は、今年度1年間の最終的な損益の予想を、150億円の黒字から、一転して540億円の赤字の見通しに下方修正しました。最終赤字は2期連続となります。
認証が取り消しとなったエンジンの車両は国内販売の35%にのぼり、認証を取り直すまでの間、生産ができなくなることから来年度の業績の悪化は避けられない見通しです。
-- NHK NEWS WEB