日産自動車は、かつてバブル期の高級車ブームをけん引したセダン「シーマ」の生産をこの夏にも終了する方針を固めました。世界的にEV=電気自動車の開発が加速する中、自動車メーカーが車のラインナップの刷新を急ピッチで進めています。
日産自動車の「シーマ」は、現在、最も安いタイプでも800万円を超える代表的な高級セダンです。
この「シーマ」について、会社はことし8月までに生産を終了する方針を固めました。
搭載するエンジンが、ことし秋から強化される騒音規制をクリアできないため、エンジンの改良ではなく、車そのものの生産を終えることにしました。
「シーマ」は、日本がバブル景気に沸いた1988年に販売が始まりました。
当時の高級車ブームをけん引し、次々と高級な車が売れる状況が「シーマ現象」と呼ばれるなど、時代を象徴する車となりました。
しかし、その後は販売が伸び悩み、最近は人気が高いSUV=多目的スポーツ車に押され、去年の販売台数は100台を下回るなど低迷していました。
会社は、同じエンジンを搭載する高級セダン「フーガ」の生産も8月までに終了する方針です。
自動車業界では世界的にEVの開発が加速し、100年に1度の変革期を迎えていると言われています。
こうした中、日産だけでなくここ数年はトヨタ自動車やホンダなども、かつて人気を集めた車種の生産終了に踏み切っていて、メーカーが新しい時代をにらんで車のラインナップの刷新を急ピッチで進めています。
-- NHK NEWS WEB