ロシアが天然ガスの購入をルーブルで支払うよう求める中、ロシアにガスを依存するドイツは調達の先行きが不透明になったとして、政府がガスの供給状況を監視する初めての「早期警戒段階」を宣言し省エネへの協力を呼びかけました。
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は非友好国と指定した国が天然ガスを購入する際には通貨ルーブルで支払うよう求めていますが、ドイツを含むG7=主要7か国は28日、エネルギー相会合を開きこれを拒否しました。
こうした中、輸入する天然ガスの55%をロシアに依存してきたドイツのハーベック経済・気候保護相は30日、首都ベルリンで記者会見を開き、ロシアからのガス調達の先行きが不透明になったとしてガス供給の「早期警戒段階」に入ったと宣言しました。
「早期警戒段階」はEU=ヨーロッパ連合の規則に基づきガスの供給状況の深刻な悪化が想定される際に宣言され政府が供給状況を監視します。ドイツがこの宣言を行うのは初めてです。
状況がさらに悪化すれば段階を引き上げ、最終的には政府がガスの供給先の決定に介入します。
ハーベック経済・気候保護相は現時点でガスの供給に問題はないと説明する一方「この宣言をドイツを救うための消費者や企業に対する訴えとしたい」と述べ、国民や企業に省エネへの協力を呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB