太陽光など再生可能エネルギーを普及させるために家庭などが支払っている上乗せの負担額を抑えるため、政府は4月1日から新たな制度を始めます。FIP(フィップ)と呼ばれる制度で、大規模な発電事業者には市場原理を導入し、国民の負担を抑えるねらいです。
再生可能エネルギーで発電した電力は、固定価格買い取り制度=FIT(フィット)と呼ばれる仕組みで、大手電力会社が一定の価格で買い取ることを義務づけられています。
しかし、買い取りにかかる費用は電気料金に上乗せする形で家庭や企業が負担していて、その額は10年間で15倍余りに増加し、課題となっていました。
このため、経済産業省は4月1日の新年度からFIPという新たな制度を導入します。
対象となるのは、これから新たに整備される、太陽光ではメガソーラーと呼ばれる、1000キロワット以上の大規模な発電施設です。
こうした施設にはFITのような固定価格による買い取りは行われなくなります。
発電事業者には市場原理が導入され、みずから電力の売り先を確保することが求められます。
一方、電力市場の価格変動に応じて一定の補助金が国から支給され、事業者の経営が悪化しないよう配慮されています。
経済産業省では、国民負担の重い今の仕組みを将来的に縮小していき、自由競争によって再生可能エネルギーの導入拡大をはかっていく考えです。
-- NHK NEWS WEB