経営の混乱が続く東芝をめぐり、モノ言う株主が、保有する東芝株について、海外の投資ファンドと文書を交わしていたことがわかりました。ファンドが東芝の買収を目指す場合は、持っている株式を手放し協力するという内容で、買収をめぐる動きが今後、活発になる可能性があります。
東芝の筆頭株主で株式の9%余りを保有する、シンガポールの「エフィッシモ・キャピタル・マネジメント」は、モノ言う株主として、会社と対立しています。
このモノ言う株主が、アメリカの投資ファンド「ベインキャピタル」との間で、保有する東芝株について文書を取り交わしたことがわかりました。
具体的には、ファンドがTOB=株式の公開買い付けを行って東芝の買収を目指す場合は、保有する東芝株を手放し、協力するなどとしています。
ベインキャピタルもコメントを出し、現時点では決まったことはないとしたうえで「東芝の経営陣、日本政府、および金融機関などと、慎重かつ真摯(しんし)に対話を重ねていく必要がある」としています。
ここ数年、東芝では経営の混乱が続いていますが、1年ほど前に今回とは別の投資ファンドが東芝の買収を提案したことがあります。
東芝では、経営側がまとめた、会社を分割して企業価値を高めようという案が、株主総会で否決されたばかりで、経営戦略が行き詰まる中、今後、第三者による買収の動きが活発になる可能性があります。
東芝は「何ら関知しておらず、企業価値の向上のため、あらゆる選択肢の検討を引き続き行っていく」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB