3月にトヨタ自動車の工場停止につながるサイバー攻撃を受けた、愛知県の部品メーカーが調査報告書を公表しました。この中では、子会社のリモート接続機器に「ぜい弱性」があり、不正アクセスを受けたと明らかにした一方、現時点で情報漏えいは確認されていないとしています。
愛知県豊田市にあるトヨタ自動車の取引先の部品メーカー「小島プレス工業」は、サイバー攻撃を受けてシステム障害が発生し、先月、トヨタが国内すべての工場を停止する事態となりました。
「小島プレス工業」では、一部のサーバーでウイルス感染や脅迫メッセージが確認されたと発表し、外部の専門家の協力を得て復旧作業や全容解明を進めてきました。
このほど、会社が公表した調査報告書では、子会社が特定の取引先との専用通信に利用していたリモート接続機器に「ぜい弱性」があり、そのことがきっかけとなって不正アクセスを受けたと明らかにしています。
そして、子会社のネットワークから「小島プレス工業」の社内ネットワークに侵入され、サーバーやパソコンに攻撃を受けた痕跡を確認したということです。
また、報告書では、表示された脅迫メッセージには具体的な金銭の要求額の記載がなく、会社側から攻撃者に対して連絡をとっていないことも明らかにしました。
「小島プレス工業」では、現時点で外部に情報が持ち出された形跡はなく、情報漏えいは確認されていないとしていて、高度な情報セキュリティー対策を講じるなど、再発防止を図りたいとしています。
-- NHK NEWS WEB