中国では政府が内需の下支えを強めて鉄鋼などの業種で収益が改善した結果、製造業の景況感を示す先月の指数が、市場の予想を大きく上回る2年3か月ぶりの高い水準となりました。
中国の国家統計局は毎月、中国国内のメーカーを対象に景況感を調査し、製造業のPMI=購買担当者景気指数として発表しています。
1日発表された先月の製造業のPMIは51.2で、前の月より0.8ポイント改善し、市場の予想を大きく上回る2年3か月ぶりの高い水準となりました。景気判断の分かれ目となる50という指数を上回ったのは3か月連続です。
これは、中国政府がインフラ投資の拡大や自動車の販売刺激策など内需の下支えを強める中、大手の国有企業を中心に生産と、国内での新規の受注が大きく伸びたことによるもので、これまで業績が低迷してきた鉄鋼や石炭といった業種でも収益が改善しました。
ただ海外からの新規の受注や企業の設備投資は依然、振るわず、中国政府は、当面、財政出動などの景気刺激策を維持するものと見られます。
一方、生産能力の削減を進めるべき鉄鋼などの業種で景気対策によって再び生産が活発になり、構造改革が進まないことへの懸念も中国経済の専門家から出始めていて、今後の動向が注目されます。
-- NHK NEWS WEB