長年の検査不正が明らかになった三菱電機は、不正の背景とされた閉鎖的な組織風土を変えるため、部門を超えて技術や情報を共有する仕組みを整備するなどとした改革の指針を公表しました。
三菱電機は、鉄道向けの空調装置など複数の工場で長年の検査不正が明らかになり、外部の弁護士などがまとめた調査報告書では問題の背景として「拠点単位の内向きで閉鎖的な組織風土が存在していた」と指摘されました。
会社はこうした風土を変えようと、全国の事業所から公募で選ばれた社員45人のプロジェクトで組織の課題を洗い出し、出された提言にもとづいて組織風土改革の指針をまとめました。
具体的には、
▽形骸化した業務を改めてデジタル化を進めることで中堅層の負担を軽くするほか、▽部門をこえて人材や技術、情報に効率的にアクセスできる仕組みを作ること、
さらに
▽人事評価制度の見直しなどに取り組むとしています。
会社では今後、役員やプロジェクトのメンバーが全国の事業所を訪問して従業員への理解を求め、具体的な取り組みを実行するとしています。
一方、一連の検査不正については外部の弁護士などが引き続き調査をしていて、組織風土の改革とともに不正の実態を解明できるかが問われています。
-- NHK NEWS WEB