インド洋の島国スリランカでは、物価の上昇や燃料不足などで市民生活に深刻な影響が出ていて、最大都市コロンボでは数千人が6時間以上にわたって政府への抗議活動を行いました。
スリランカでは、外貨不足などによって急激なインフレが起きているのに加えて、ガソリンや軽油といった燃料や病院の薬が不足し、電気も1日に合計で最大13時間止まるなど生活に深刻な影響が出て、人々の不満が高まっています。
こうした中、9日最大都市コロンボでは、抗議活動のために人々が中心部に集まり、AP通信は数千人が参加したと伝えています。
通り沿いには若者から高齢者まで幅広い年齢層の男女が集まり、経済危機は政府の責任だとして、ラジャパクサ大統領の辞任を求めるプラカードや国旗を掲げて、少なくとも6時間以上にわたり抗議の声を上げました。
会社員の娘と参加した女性は「今はガスも電気もありません。大統領には退陣してほしい」と話していました。
またデモに初めて参加したという39歳の男性は「自分たちの声を届ける方法はこれしかないので来ました。もう家でじっとしてはいられません。政府がどうすることもできないのであれば、できる人に任せるべきだ」と話していました。
スリランカでは先月31日、大統領の自宅近くでデモ隊と警察が衝突し、一時、全土に非常事態宣言が出るなど混乱が続いています。
-- NHK NEWS WEB