温室効果ガスの排出が多い石炭火力発電をめぐって、国内の金融大手は、発電所向けに加え、燃料となる石炭の採掘事業に対しても融資を行わない方針を決めるなど、脱炭素に向けた対応を加速しています。
このうち、三菱UFJフィナンシャル・グループは、脱炭素社会の実現に向けて、現在5000億円ある石炭火力発電所向けの融資残高を2040年度までにゼロにします。
さらに、燃料となる石炭の採掘事業に対しても新たな融資を行わない方針を決め、これらの取引先に対し再生可能エネルギーの活用などを後押しするとしています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ、サステナビリティ企画室の渡辺陽室長は「エネルギーの問題は地域や業界によっても課題がさまざまなので、取引先と対話しながら脱炭素に向けて取り組みたい」と話しています。
大手金融グループでは、▽三井住友フィナンシャルグループが石炭火力発電所向けに加え、石炭の採掘事業や炭鉱の拡張、また、これらに関連する施設の建設などに融資しない方針を決めたほか、▽みずほフィナンシャルグループも石炭の採掘事業に融資しない方針をすでに示しています。
国内の金融大手は、脱炭素を目指す金融機関の国際的な団体から具体的な取り組みの公表が求められていて、温室効果ガスの排出が多い石炭火力発電の分野でより踏み込んだ対応を取ることで脱炭素の実現に向けた姿勢を国内外に示すねらいがあります。
-- NHK NEWS WEB