働く人が解雇され、無効と認められた場合に企業が金銭を支払うことで解決する制度について厚生労働省の検討会は「申し立てをできるのは労働者に限定する」などとする報告書をまとめました。今後は労使の代表などでつくる審議会で制度を導入すべきかも含めて議論が行われることになります。
解雇は働く人との雇用契約を企業が打ち切ることで、法律で規制されていますが、裁判で解雇が無効と判断され、雇用契約が続いていると認められても職場に復帰できないケースは少なくないとされています。
厚生労働省は専門家でつくる検討会を設置し、解雇された労働者の選択肢を増やすことなどを目的として、企業が金銭を支払うことで雇用契約を終了させ解決する制度について議論を続け、11日、報告書をまとめました。
それによりますと、制度は裁判や労働審判で解雇が無効だと判断された場合を想定し、金銭解決の申し立てをできるのは労働者に限定するとしています。
また、働く人に支払われる「労働契約解消金」の算定は、それまでの給与額を基本としたうえで、年齢や勤続年数、再就職までの期間などを考慮するとしています。
この報告書をもとに今後は労使の代表などでつくる審議会で、制度を導入すべきかどうかも含めて議論が行われることになります。
制度の導入について労働問題に詳しい弁護士でつくる「日本労働弁護団」などから「働く人が解雇されやすくなり雇用が不安定となるおそれがあるほか、解雇規制の緩和につながる」などと反対の意見が出ています。
-- NHK NEWS WEB